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2006年06月20日

~剣鉾をばらす編~

★剣鉾の分解を順を追って見ていきましょう。
 特に、縄の絞め方や取り回しに特徴があります。

 ※下御霊神社の「菊桐鉾」(毘沙門町)です。




剣鉾を担ぐ時の持ち方は、「剣鉾を差す」でも書いたが、このように鉾を横向きにして運ぶ。
これは、鉾の首の部分や剣先が、しなり易い構造に作られているので、
鉾を水平にして運ぶと、首の部分に鉾頭の加重が集中し、そこから折れてしまうのである。
ちょうど左手の鉾差さんが左手を添えているあたりが鉾の首部分。


剣先が垂れて地面に触れない程度の高さ(約40cm)の台に表を向けて置く。
剣先は刃が着いているわけではないが、
引っ掛けると危ないので、日本手拭を懸けて保護する。



縄の取り回しをよく見て欲しい。
大きく分けて2種類の縄が巻かれている。

1)額の上の剣から始まり、左右に分かれて、金錺の隙間を絡めるように潜りながら、
 カーブを描いて鉾の首の部分まで達し、そこで棹に何重にも廻して縛られている。

2)鉾首の下、約30cmの辺りの棹に小さな杭が立っており、そこに鈴(リン)がぶら下るが、
 左右の金錺からV字に、その杭まで縄が走っている。
 それも、ややたるみ気味の緩い縄である。
 この縄紐のことを、鈴吊り紐(りんつりひも)と呼んでいる。

(1)の縄は、左右の金錺を真ん中の額に固定し、剣及び鉾頭を棹に密着させるための縄である。

そうしたら、(2)の縄は何のために必要なのか。
鉾が差されている通常時は、剣鉾が前後に撓(しな)って、錺も団扇が扇ぐように前後するが、
その動きが大きくなり過ぎない様に抑制する役目をする。
だから、遊びを持たせて緩めに縛ることで、ある程度の動きを金錺に与えることができるのである。
もう一つ、この縄の役目は、鉾差し中に鉾首の部分から折れて鉾頭が落ちるのを防ぐ役目も兼ねている。
普段から鉾差は、剣はもちろん、それを両面から挟み込む竹ヘラの劣化を入念にチェックしているが、事故は予想を超えたときに発生するものである。その際、このV字の緩い縄が命綱となるのだ。

しかし、最も重要な役目は別にあるのだ。
それは、前述の剣鉾を寝かせた時の持ち方のところで、「剣鉾を横向きにして運ぶ」と書いた。
さらに、その理由として、
「鉾の首の部分や剣先が、しなり易い構造に作られているので、鉾を水平にして運ぶと、首の部分に鉾頭の加重が集中し、そこから折れてしまう」というのを挙げた。

鉾差しの間では、剣鉾が水平の状態のことを”ヒラ”と呼び、垂直の状態のことを”マサ”と呼ぶのだが、その危険な”ヒラ”の状態は、できる限り避ける様にしている。だが、どうしても”ヒラ”で支えなければならない時や、建て起こし思わず”ヒラ”の状態になってしまう時が発生する。その際には、V字の”鈴吊り紐”が上面になるようにして持つのである。
万が一、ヒラの状態になったとしても、鈴吊り紐側が上になるように心掛けて行動するのである。それは、ヒラの状態になっても鈴吊り紐が引っ張り支えてくれるのである。それが逆になれば、鉾は自重に耐え切れず、いとも簡単にクシャといった感じで鉾首から折れて落ちてしまうのだ。


いよいよ、縄を解いて分解にはいる。




先程のV字の緩い縄から解いていく。
鈴(りん)を吊るしている杭のところで結んでいるので、
それを解けば、あとは左右の金錺には、結ばずに縄を潜らせているだけなので簡単に外れる。


そのV字縄を外せば、後は棹の根元で幾重にも巻いて止めた結びを解く。




そこを解ければ、鉾を持って棹から引き抜くことができる。




引き抜いた鉾の元の部分に竹ヘラ板が見えている。
剣先の元は、額下の台座(三つ丸形)からほんの少し突き出ているだけで、
棹先端への挿入は、ほとんど竹板のみで支えられているのである。


台座から約20cmほど突き出た竹板が見える。
その右手前に置かれているのが、鈴(りん)である。
この鈴は、通常の場合、中には舌(ゼツ)は無く、棹とぶつかることで音を発するが、
剣鉾によっては、風鈴の様に舌を持つ鈴をぶら下げる鉾もある。




そして、鉾飾りが整えられる。
祭壇の左右には留守鉾と合わせて2基の鉾が据えられ、
代々の皇室から御寄付を賜った吹散りが飾られている。
見るとわかるが、普通の家屋の部屋ならば、剣先は天井に着くほどの高さである。



  
タグ :剣鉾鉾差し


Posted by どせうの寝床 at 04:59Comments(0)剣鉾の組立