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2009年11月09日

鞍馬の火祭り2009~由岐神社の剣鉾たち

京都三奇祭の一つ、「鞍馬の火祭り」は”由岐神社”の例祭である。
夜空を焦がすほどに沢山の松明が灯され、今では松明が主役の祭礼のようになっているが、
元々は、やはり”剣鉾祭り”であった。
その剣鉾の基数たるや、洛中の名立たる神社の祭礼にも引けを取らない7種の鉾を出す。
もちろん全基、差されて祭礼に出ている。



 ※下在地大惣仲間・鳳鉾留守鉾の額部分


鞍馬には独自の組織があり、旧鞍馬村全村を7つの仲間に分けている。
その組織は代々の世襲制で、この祭礼においても仲間ごとに役割が決まっている。
それは、大惣仲間・宿直仲間・名主(名衆)仲間・僧達仲間・大工衆仲間・大夫仲間・脇仲間の七仲間で、そのうち剣鉾を守護するのは、大惣仲間(大惣は上在地・中在地・下在地の3つ分かれる)・名主仲間・僧達仲間・大工衆仲間の6つとなる。



 ※僧達仲間の宿前にて。竹虎鉾本鉾


資料”『京の祭の遺宝・剣鉾の伝統展』の図録巻末の調査社寺と鉾名”では、
由岐神社の剣鉾は6種とし、鉾名に【鳳凰鉾・菊水鉾・蝶鉾・竹虎鉾・葵鉾・菊鉾】を上げている。
しかし、由岐神社の解説では、【菊鉾・桐鉾・蝶鉾・葵鉾・鳳鉾・百足鉾・寺鉾】の7種があるとしている。実際、今回7種の剣鉾を確認し、百足(むかで)鉾の名称を聞く場面があった。
そのことから、鉾の名称は後者の7種で呼ばれているものと思われる。
前者の図録巻末資料の鉾名は、金錺の意匠からそのまま呼称を付けたものかもしれない。

では、各仲間の宿での鉾飾りを見ていく。



◆上在地大惣仲間  【蝶鉾】





宿は、くらま温泉のすぐ手前で鞍馬の里の最北端にあった。
くらま温泉の入り口を背に、上在地大惣仲間の宿から南を望む。





地元では”四本鉾(よんほんぼこ)”と呼んでいる、鞍馬独特の形状を持つ剣鉾である。
主になる長柄の他に、補助となる長柄が三本付く。





宿に飾られた”へれん”三流と甲冑一領。”へれん”には”対(むか)い蝶”の紋。
鞍馬では、吹散りのことを”へれん”と呼ぶ。
これは、吹散りを鰭(ひれ)と呼ぶ場合もあり、それが訛った呼び名かもしれない。





               


               


               


               



左右一対の蝶の金錺。





               


               


               


               

地元では”四本鉾(よんほんぼこ)”と呼ばれる鞍馬独特の形状を持つ剣鉾である。
主になる長柄の先端近くに短い横棒が付き、補助となる長柄が三本付く。

差し方は、一人が先端の横棒を両手で摑み、長柄を肩で受けて背負うようにして持つ。
補助の長柄三本にそれぞれ人が付き、剣鉾は前面が若干天を仰いだ姿勢で斜め立つことになる。
その三本の持ち手が長柄を上下させることで剣鉾が前後に揺れ、鈴(りん)が鳴る。
重量は、京鉾の2倍近くはありそうである。
この差し方から分かる通り、四本鉾の場合は腰に着ける”差し革”を使わない。
一本鉾の場合は使うかどうか確認できていない。



三本の長柄の接続部分は、驚くなかれピロボール構造になっている。
近年の補修による改造なのか。
長柄の裏側には、やや短めの縄で吊るされた鈴(りん)が見える。







◆僧達仲間   ※剣鉾の伝統展図録では「竹虎鉾」

上在地大惣仲間の宿から少し下がったところにあった、僧達仲間の宿。









 



金錺の鳥獣は、慨して阿吽の形を取るが、この虎は左右とも口を閉じているのが興味深い。






宿の鉾飾り。

 

こちらは留守鉾で、おそらく本鉾よりも古い。




長柄には棗(なつめ)はなく、打金が貼られている。
補助の長柄は、縄で主の長柄に接続されている。







◆名主(名衆)仲間  【葵鉾】

山門下の広場から少し北へ上がったところに宿があった。




              


ここ名主仲間の宿の方に聞いた話だが、この葵鉾の長柄は1.5m位切ってある。
やはり、電線により差すことが困難になってきて短くしたとのことだった。
着けられている”へれん”は、今年251年振りに新調したものである。 → 京都新聞記事






”へれん”を製作された作者が、作品の晴れ舞台を見に来られていた。


               


               





今年新調の”へれん”のもう一流が飾られていた。



留守鉾の古い額。中央に観音様がおわす。






               

       補助の長柄が、ロープで縛り付けられていた。


               


               





◆大工衆仲間  【一本鉾・鉾名未確認】   

叡電鞍馬駅から街道筋に出てきて正面に宿があった。






               


               


               






               


               


               







               


               












◆中在地大惣仲間  【一本鉾・鉾名未確認】

叡電鞍馬駅から街道筋に出てきて、少し南へ下ったところに宿があった。







               


               


               


               





               


               


               






               


               








◆下在地大惣仲間  【鳳鉾】と、【もう一種の一本鉾】

御旅所よりも、まだ下手に宿があった。
ここには四本鉾と一本鉾の2種の剣鉾があった。







               


               


               
     鈴(りん)に、密教法具である五鈷鈴が代用されている。
      各地の剣鉾にも、五鈷鈴の代用例は多く見られる。



               


               


               






               


               



     この剣鉾の金錺の枝の張り方が、どうもしっくり来ない。
     というのは、枝がすべて下向きにカーブを描いている。
  数多くの剣鉾を見てきたが、一般的には考えられない枝の張り方である。、
あくまでも推測だが、上下を間違って組んでいるのではないかという疑問がわく。
       そこで、画像上で上下を返して見ることにした。
     下記画像の左が現状。右が上下を返した金錺である。

         








               


               


               


  


Posted by どせうの寝床 at 03:40Comments(0)由岐神社(鞍馬)