余呉町上丹生・丹生神社”茶わん祭”

どせうの寝床

2010年04月20日 08:11

湖北の余呉町上丹生の丹生神社で、3年に一度の5月4日に行われる”茶わん祭”。

「湖国の奇祭」ともいわれ、祭礼に巡行する三基の山車には、

人形と陶器をうまく組み合わせて積み上げられる。

その高さは10メートルにもおよび、今にも倒れそうで倒れない。

その絶妙のバランスは、見る者の驚きと好奇心をかき立てる。

さすが湖国の奇祭といわれる所以である。


前置きが長くなったが、その茶わん祭にも剣鉾が登場するのである。

この画像は、平成21年5月4日、6年振り(平成18年は中止だった)に行われた祭礼のもので、

京のまつり研究会の赤井氏に画像を提供いただきアップすることができた。





剣鉾は一基あり、金錺は松の意匠である。

鉾名が、松鉾なのか蓬莱鉾なのか、固有名称の有無は未確認である。

ただ、祭具としての呼び名は、この剣鉾のことを大鉾、四神鉾を小鉾と呼んでいるようである。





よく見ると、ナツメ(打金)が有るにもかかわらず、鈴(りん)がグンと下につけられている。

これは明らかに組み立て方が間違っていると思われるが、

その様子からすると、剣鉾の組み立て方や差し方は、すでに伝承されていないようである。

ナツメの上下寸法が短いことを見ると、鉾が差されていた当時は、

前打ちで行われていたのではないかと推測される。


この鉾差し・鉾振りだが、滋賀県下で今も鉾差し・鉾振りでの巡幸が行われているのは、

5月5日が春祭りの大江・若松神社のが有名である。

つい昨年になるが、草津野路町・稲荷神社においても、技として極めたものではないにしても、

一基の剣鉾(雲に鶴の金錺)を差す・振るというスタイルで巡幸がなされていることが確認できた。





剣鉾を二人の白丁が両側から支えるように待機している様子が見えるが、

巡幸の際もこの二人が両側から支えた状態から、腕で差し上げて巡幸をしている。





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