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2009年06月22日

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

もう4年前・2005年になりますが、
京都府網野町・浅茂川の八丁浜に海水浴に行った時のことです。
何やら、水無月大明神と書かれた幟が勇ましく立っているのが目に入りました。
まさしくこれは祭の何者でもありません。

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭


自分だけなら、即効で祭モードのスイッチONなのですが、
この日は家族サービスの海水浴でのこと。
「くぅ~、こんな時に祭りに出くわすとは!」
嬉しいような悲しいような、葛藤の渦にもみくちゃになりながら必死で冷静を装い、
とにかく海水浴のベーステントを手際よく張って、
「ちょっと祭の様子見てくるわ。」と一声かけるが早いか、次の瞬間駆け出してました。
そうして、幟のところまで来たときです。
3基の剣鉾の姿が視界に飛び込んできました。

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭


そして、嶋児神社という提灯がかかった小さな拝殿には、神輿が奉安されていました。

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭
真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

後から調べたら、ちょうど7月30日が網野町で最大の夏祭り・水無月祭の本祭当日でした。
八丁浜から福田川という川を挟んで対岸、日吉神社・境内末社の”水無月神社”の祭礼です。
この画像に出てくる”嶋児神社”は、いくつかある浦島太郎の伝説地の一つだそうで、
御旅所になるのかもしれません。
昼間には、神輿の海上渡御があって、嶋児神社の浜から神輿は海に入りますし、
夜になると花火大会があって、非常に面白い祭礼です。

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

剣鉾は大・中・小のサイズで3基に加えて、一般に”鉾”とよばれる一基が立ち並んでいました。
ちょうど、滋賀県大津市の”若松神社”の剣鉾(大・中・小)と同じような雰囲気です。
他の祭礼でも、大中小の3基揃いを見たことがあります。
この”大中小”には、鉾として重要な意味があるのかもしれません。

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭鈴(りん)の形状や大きさは、京都市内での剣鉾のそれと、ほぼ同じものの様に見えます。






真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

吹散(そう呼ぶかは不明)には、五三桐紋が入っている。
先ほどの嶋児神社の拝殿の天幕にこの社紋が入っていました。
ということは、この剣鉾3基は、嶋児神社の鉾かもしれません。
撮影の画素数が低く、剣鉾の額の文字が判読できないのが残念です。

真夏の剣鉾・浅茂川水無月祭

しかし、丹後半島の北西の端、京都から直線で100kmのこの地で、
剣鉾に出会うとは思っても見なかったことでした。
丹波・但馬地方にも、剣鉾の存在が確認できていますので、
ここ丹後にあっても不思議ではないでしょう。

残念なことは、各鉾も名称や、剣鉾そのものの呼び名がどうだったのか、
また、祭礼での巡幸の有無や役割など、詳細な調査をせずに浜に戻ってしまったことです。
今年の祭礼ももうすぐですので、どなたか調べて教えて下さい!










この記事へのコメント
7月30日の水無月祭は、地元では川裾(かわっそ)祭りとも呼ばれています。
写真にあるものは”剣鉾”というんですね!
いままで数十年祭りに参加しておりますが、はじめて呼び名を知りました。
剣鉾とは関係ないのですが、一番下の写真に写っております木の棒の上に鈴の親玉みたいのがついているものですが、浅茂川では「突穴(トッケツ)」と呼ばれているもので、今年、30数年ぶりに新調しました。
もうすぐ、かわっそさんです。みなさん、是非お越しください。
Posted by 浅茂川の住民 at 2009年07月21日 16:32
浅茂川の住民さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
地元では、川裾(かわっそ)祭りと呼ばれているんですか。
この時は、とても感動したのを覚えています。
神輿を担いて海の中に入って渡御する光景は、脳裏に焼き付いています。
>写真にあるものは”剣鉾”というんですね!

そうなんです。
恐らく、京都より伝わっていったのではないかと思います。

>いままで数十年祭りに参加しておりますが、はじめて呼び名を知りました。

もし、地元の独自の呼び名があるようでしたら、また教えて下さい。

>一番下の写真に写っております木の棒の上に鈴の親玉みたいのがついているものですが、浅茂川では「突穴(トッケツ)」と呼ばれているもので、今年、30数年ぶりに新調しました。

これ突穴と言うんですね。
実は、とても気になっていたものなんです。
今回、写真を改めて見直して、これがあることに気付きました。
どのように使うものなんでしょうか。
新調するということは、今もお祭りで使われているということなんですよね。

>もうすぐ、かわっそさんです。みなさん、是非お越しください。

お声掛けありがとうございます。
まだまだ何度でも見てみたいお祭りですね。
今、お祭りの日程はどのようになっているんですか。

これからもよろしくお願いします。
Posted by どぜうの寝床 at 2009年07月22日 08:52
突穴について
突穴は神輿巡行の先頭を行くもので、邪気を払い神輿の導(しるべ)として行き先案内を行うものです。かなり大きな音がし、神輿の担ぎ手が疲れて意識がもうろうとしてきても、突穴の音がする方に行けば良いといった意味もあるとか。

剣鉾について
地元区長さんに聞いたところ、”ホコ”と呼んでいるらしいのですが・・・

神輿巡行日程
7月30日
13:30日吉橋巡行出発  15:30海上渡御  16:00川裾山御旅所鎮座
Posted by 浅茂川の住民 at 2009年07月22日 12:04
川すそ祭りについて語らしていただきます。

この祭りは文武天皇(もんむてんのう・697年~707年)の時代から禊(みそぎ)の大祓(おおはらい)祭典が行われました。
河川の下流に一社があって、川下を汚さぬようにする川の清掃行事です。
祭り当日の早朝、海又は川砂利を戸毎に持ち帰り、家の戸口に盛り上げるという風習があります。
神輿を川すそ付近の海に入れて清め、町中を巡行しますが病人や虚弱者はこの神輿にまたいでもらうと良いといわれ、また、神輿を上から見下ろす(家の2階などから見る)ことは禁じられています。
この日は川や海に入られぬといわれています。
Posted by 浅茂川の住民No2 at 2009年07月22日 17:28
浅茂川の住民さん
早速のご返事ありがとうございます。

やっぱり、7月30日ですね。
行きたいけど行けないです。残念です。
そう考えると、2005年は偶然にしても、とてもラッキーだったんですね。
人の都合でお祭りの日をかえるのは、本来おかしい話しですからね。

>突穴は神輿巡行の先頭を行くもので、邪気を払い神輿の導(しるべ)として行き先案内を行うものです。

先導なんですね。
通常、お祭りでその役を担うのは猿田彦で、天狗の面をつけた榊であったり、
人が天狗の面をつけ巡幸に供奉するのが一般的です。
しかし、突穴って、興味深いですね。
字も然ることながら、その役割も面白い。

>かなり大きな音がし・・・

神社でお賽銭を入れるときに鳴らす大鈴のような感じでしょうか。
ますます、興味をひきます。

>剣鉾について
>地元区長さんに聞いたところ、”ホコ”と呼んでいるらしいのですが・

ありがとうございました。
わざわざ聞いていただいたんですね。
ということで、私が"ホコ"を見たのは、
川裾山御旅所の場所だったんですね。

>川すそ祭りについて

古い歴史のあるお祭りなんですね。
文武天皇の御代から禊の大祓が行われてたんですか。
奈良時代ですよね。
驚きました。

>河川の下流に一社があって、川下を汚さぬようにする川の清掃行事です。

ひょっとして、これが嶋子神社のことでしょうか。

興味は尽きないのです。
いろいろとほんとうに詳しい情報をありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by どぜうの寝床どぜうの寝床 at 2009年07月23日 21:38
こんばんは。
本日、京都新聞の夕刊(会社で取っている山城版)に水無月祭の記事が載りました。御神輿の海上渡御の写真がデカデカと!(しかも、差し上げてます!)
残念ながら剣鉾の記述はなかったのですが、お祭りを長年見てこられた旅館の女将さんのお話や祭り責任者の方のコメントなどが、一人称で書かれており、お祭りや地域の景観を地元の方が大事にしておられる思いが伝わる、いい文章でした。
僕の母校の学舎(海の家)が間人(たいざ)にありますので、また行ってみたくなりました。
Posted by kacky at 2009年08月03日 23:22
kackysさん、またまた情報ありがとうございます。
山城版に丹後の祭の記事がデカデカと出るというのはすごいです。
それも、ただのお祭の記事ではなく、特集記事っぽい感じですね。
因みに、別途・京都新聞WEB版でも見つけました。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009073100094&genre=J1&area=K60

丹後の海はいいですよね。
kackysさん、間人を知ってはりましたか。
個人的には、すぐにカニをイメージしてしまうのは、食い意地が張ってるせいでしょうか。
間人の緑タグは、やっぱり憧れです。
親戚が丹波丹後にいますので、海と言えば、丹後半島はよく行きます。
地元情報を義兄に教えてもらって、秘密の浜へ泳ぎに行くのです。
今年はどうも、琵琶湖で泳ぐのが関の山でしょうか。
そうこうしてる内に、秋祭りのシーズン到来します。
また、よろしくお願いします。
Posted by どぜうの寝床 at 2009年08月04日 16:38
かわっそ祭りに関心を持っていただきありがとうございます。
今年も、無事に神輿巡幸ができました。
神輿巡幸は、その年の数えの四十二歳(しじゅうに)の厄年のものが取り仕切り、二十代、三十代の者が担ぎ手としてとりおこないます。
四十三歳になる年にはお礼奉公を1年だけ行い、神輿巡幸は引退をします。
私も(京都新聞の写真中央の後姿の者が私!)、今年で引退でさびしい限りですが、なんらかの形で祭りには関わって行こうと思います。

追申
突穴についてですが、

>神社でお賽銭を入れるときに鳴らす大鈴のような感じでしょうか。
ますます、興味をひきます。

厚さ4ミリくらい、重量も20キロくらいあり重厚な音を響き渡らせる事ができました。
今年、突穴を奉納した我々同年会の心意気をしめせたなと思いました。
Posted by 浅茂川の住民 at 2009年08月05日 12:10
祭りの雰囲気が伝わると思いますのでご覧ください。http://www.youtube.com/user/19581216michiaki
Posted by 浅茂川の住民No2 at 2009年08月05日 14:13
もしかして、"浅茂川の住民さん"と"浅茂川の住民No2さん"は、別の方だったのでしょうか。
もしそうなら、失礼していました。

浅茂川の住民さん
 またまたコメントありがとうございます。
 【四十三歳になる年にはお礼奉公を1年だけ行い、神輿巡幸は引退】
 この一節が泣かせますね。
 44歳になると、神輿巡幸から完全引退というのは、祭好きにしたら寂しいでしょう。
>突穴についてですが・・・
 「厚さ4ミリくらい、重量も20キロくらいあり重厚な音を響き渡らせる」とは、また迫力ありますね。
 鈴ではなく、鐘のようなものですか。
 なんか、神輿よりも男の心意気の見せ場のように感じます。
 来年からは、裏方に徹して、頑張って下さい。
 陰ながら応援しております。

浅茂川の住民No2さん
 動画教えていただきありがとうございます。
 お祭の雰囲気を感じることができ、わくわくします。
 後で聞こえているのは、ひょっとして突穴の音ですか。
Posted by どぜうの寝床 at 2009年08月07日 00:29
まさしく後ろで聞こえる音が突穴です。

動画で見ていただいたものは神輿が暴れるときでカケ声は「ワッショイ ワッショイ」ですが、町中を練り歩くときのカケ声は「ジョーサアージャー」です。
その意味は分かりません。
Posted by 浅茂川の住民No2 at 2009年08月07日 11:31
浅茂川の住民No2さん
突穴はおもしろいですね。

>練り歩くときのカケ声は「ジョーサアージャー」です。
この掛け声で思い出しましたが、
京都・祇園祭の東若御座(東御座の子供神輿)が巡幸して練り歩くときの掛け声が、
「ヨイッヤッ、サァージャー」です。
とても似ているのです。
Posted by どぜうの寝床どぜうの寝床 at 2009年08月08日 23:28
夏祭り かわっそさん♪
http://www.youtube.com/watch?v=oXebf8HZb6U
Posted by どぜうの寝床 at 2011年03月22日 16:49
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