2008年09月28日
三嶋神社『神幸祭』 2008年9月21日
去る9月21日、晴明さんのお祭に先んずること2日、
こちら「三嶋神社」の神幸祭が執り行われました。
秋祭りの中で、剣鉾が出るお祭の初っ端ということで、またまた剣鉾シーズンの到来なのです。

ちょっと動画が縦に25%位つぶれてしまっています。
場所は、渋谷通東山・馬町の交差点を東へ登って一つ目の信号、
交番のある交差点を北に入って大きなマンションの裏側にある神社です。

三嶋神社の剣鉾は3基あって、今回お祭に出た【牡丹鉾】の他、
【菊鉾】【松鉾】が現存しています。
しかし、老朽化による痛みが激しく、鉾差しさんに聞いたところでは、
3基の鉾のいいところを集めて、牡丹鉾を巡幸参加できる状態にしているとのことでした。

牡丹に阿形吽形一対の獅子が左右に躍っている、なかなか立派な鉾ですね。



痛みが激しいので、棹は菊鉾のものを使っているとのことでした。
それでも、例に漏れず、
棗(なつめ・鈴(りん)が当たる打金)部分と鈴吊り棒のあたりの痛みがひどくて、
何度も打ち変え打ち変えした跡があって厳しい状態でした。
駆けつけたとき、巡幸はすでに東半分終わっていて、
神輿が追いついてくるまでの間、先行する剣鉾は交番を南に入ったところで小休止中でした。

三嶋神社の神使が”鰻”ですから、神紋に鰻をあしらった法被の柄になっています。
とてもユニークで、可愛いデザインです。



一基の剣鉾に三人の鉾差し。
六匹の鰻が、鉾差しさんの背中で泳いでいます。
マネキ(剣先)の補修跡が痛々しいです。
剣鉾は、マネキを前後にしならせて巡幸しますが、
その為に、マネキの風切り穴のところから、金属疲労によるクラックが横向きに入りやすく、
そのまま使い続ければ、その部分から折れてしまうのです。
この補修跡は、各所の剣鉾にも見られますが、
この様な金属疲労によるものと、
以前はもう一つ、違った原因で剣先を傷めることが多かったようです。
それは、昔は街路の架線に裸電線が使われていた時代があり、
それに触れた剣先がショ-トして、その部分が一瞬に溶けてしまうといった事故でした。
マネキをよーく観察すると、明らかに溶けた跡を残すものが、
各所の祭礼で観ることができます。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
近年までここ三嶋神社には、剣鉾があることは知られていませんでした。
当然、神社の方でも、認識がなかったというのが現状だったのです。
それが、6年ほど前になりますが、ここに来られている鉾差しさんが、
夜に鉾差しの練習をされていたときのことです。
本当に偶然ですが、三嶋神社の宮司さんがその場を通りかかられたそうです。
そうして、その剣鉾を見て、「これは何というものなのですか」と、尋ねられたそうです。
話をよくよくしていく内に、その宮司さんの神社、つまり三嶋神社の蔵に、
どうも、これによく似たものが、バラバラで収まっているというのです。
それならば一度、お伺いして拝見させて下さい、ということになり、
いざ、蔵に入ってみると、まさしく剣鉾だったという訳です。
それも3基も有ったという、非常にうれしい剣鉾の大発見となりました。
ただ、先にも書きましたが、3基とも痛みが相当進んでおり、
特に【松鉾】の痛みは激しく、3基揃って巡幸に参加は、到底不可能な状態でした。





氏子区域は、渋谷通を中心にして、
東は清閑寺町の区域境・南は今熊野町区域境・西は東山通・北は1号線。
上馬町・下馬町・常盤町・瓦役町のこの四ヶ町が氏子区域になるかな。
ここは調査不足です。

神輿が追いついてきたので、いざいざ出発です。







上馬町から下馬町へ神幸列は進んでゆきますが、空の雲行きが怪しくなってきました。

さらに雷も鳴り出したので、避雷針そのものの剣鉾は、
残念ながら、ここで急遽、巡幸を終了ということになりました。
マンション下のガレージに駆け込んだが早いか、激しい雨が降り出しました。
剣鉾は、すぐに縄を解いて、解体に入ります。






棹は、【菊鉾】のものを使っているとのことでしたが、「菊の御紋」が入っています。




剣尻(けんじり・剣の根元)を差す口にも痛みが見られ、
鈴吊り棒からナツメに掛けての緩みは、銅針金を巻き込んで補強してありました。
また、塗りも相当痛んでいて、ひび割れから湿気が入って、
それが原因で塗りが浮き出して、さらに剥がれを招いています。
三嶋大明神の神額。表裏ともに、三嶋大明神と入っていました。
すぐ右上に見える”受金”には、やはり「菊の御紋」が入っており、
菊鉾のものを使っていると思われます。

今年のお祭は、天気がもう一つで、最後にとうとう雨に降られてしまいました。
来年は、いいお天気に恵まれますように。

◆三嶋神社(本宮)◆
※三嶋神社祈願所は、東山区本町十一丁目・瀧尾神社境内にあります。
こちら「三嶋神社」の神幸祭が執り行われました。
秋祭りの中で、剣鉾が出るお祭の初っ端ということで、またまた剣鉾シーズンの到来なのです。

ちょっと動画が縦に25%位つぶれてしまっています。
場所は、渋谷通東山・馬町の交差点を東へ登って一つ目の信号、
交番のある交差点を北に入って大きなマンションの裏側にある神社です。

三嶋神社の剣鉾は3基あって、今回お祭に出た【牡丹鉾】の他、
【菊鉾】【松鉾】が現存しています。
しかし、老朽化による痛みが激しく、鉾差しさんに聞いたところでは、
3基の鉾のいいところを集めて、牡丹鉾を巡幸参加できる状態にしているとのことでした。

牡丹に阿形吽形一対の獅子が左右に躍っている、なかなか立派な鉾ですね。



痛みが激しいので、棹は菊鉾のものを使っているとのことでした。
それでも、例に漏れず、
棗(なつめ・鈴(りん)が当たる打金)部分と鈴吊り棒のあたりの痛みがひどくて、
何度も打ち変え打ち変えした跡があって厳しい状態でした。
駆けつけたとき、巡幸はすでに東半分終わっていて、
神輿が追いついてくるまでの間、先行する剣鉾は交番を南に入ったところで小休止中でした。

三嶋神社の神使が”鰻”ですから、神紋に鰻をあしらった法被の柄になっています。
とてもユニークで、可愛いデザインです。



一基の剣鉾に三人の鉾差し。
六匹の鰻が、鉾差しさんの背中で泳いでいます。
マネキ(剣先)の補修跡が痛々しいです。
剣鉾は、マネキを前後にしならせて巡幸しますが、
その為に、マネキの風切り穴のところから、金属疲労によるクラックが横向きに入りやすく、
そのまま使い続ければ、その部分から折れてしまうのです。
この補修跡は、各所の剣鉾にも見られますが、
この様な金属疲労によるものと、
以前はもう一つ、違った原因で剣先を傷めることが多かったようです。
それは、昔は街路の架線に裸電線が使われていた時代があり、
それに触れた剣先がショ-トして、その部分が一瞬に溶けてしまうといった事故でした。
マネキをよーく観察すると、明らかに溶けた跡を残すものが、
各所の祭礼で観ることができます。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
近年までここ三嶋神社には、剣鉾があることは知られていませんでした。
当然、神社の方でも、認識がなかったというのが現状だったのです。
それが、6年ほど前になりますが、ここに来られている鉾差しさんが、
夜に鉾差しの練習をされていたときのことです。
本当に偶然ですが、三嶋神社の宮司さんがその場を通りかかられたそうです。
そうして、その剣鉾を見て、「これは何というものなのですか」と、尋ねられたそうです。
話をよくよくしていく内に、その宮司さんの神社、つまり三嶋神社の蔵に、
どうも、これによく似たものが、バラバラで収まっているというのです。
それならば一度、お伺いして拝見させて下さい、ということになり、
いざ、蔵に入ってみると、まさしく剣鉾だったという訳です。
それも3基も有ったという、非常にうれしい剣鉾の大発見となりました。
ただ、先にも書きましたが、3基とも痛みが相当進んでおり、
特に【松鉾】の痛みは激しく、3基揃って巡幸に参加は、到底不可能な状態でした。





氏子区域は、渋谷通を中心にして、
東は清閑寺町の区域境・南は今熊野町区域境・西は東山通・北は1号線。
上馬町・下馬町・常盤町・瓦役町のこの四ヶ町が氏子区域になるかな。
ここは調査不足です。

神輿が追いついてきたので、いざいざ出発です。







上馬町から下馬町へ神幸列は進んでゆきますが、空の雲行きが怪しくなってきました。

さらに雷も鳴り出したので、避雷針そのものの剣鉾は、
残念ながら、ここで急遽、巡幸を終了ということになりました。
マンション下のガレージに駆け込んだが早いか、激しい雨が降り出しました。
剣鉾は、すぐに縄を解いて、解体に入ります。






棹は、【菊鉾】のものを使っているとのことでしたが、「菊の御紋」が入っています。




剣尻(けんじり・剣の根元)を差す口にも痛みが見られ、
鈴吊り棒からナツメに掛けての緩みは、銅針金を巻き込んで補強してありました。
また、塗りも相当痛んでいて、ひび割れから湿気が入って、
それが原因で塗りが浮き出して、さらに剥がれを招いています。
三嶋大明神の神額。表裏ともに、三嶋大明神と入っていました。
すぐ右上に見える”受金”には、やはり「菊の御紋」が入っており、
菊鉾のものを使っていると思われます。

今年のお祭は、天気がもう一つで、最後にとうとう雨に降られてしまいました。
来年は、いいお天気に恵まれますように。

◆三嶋神社(本宮)◆
※三嶋神社祈願所は、東山区本町十一丁目・瀧尾神社境内にあります。
Posted by どせうの寝床 at 00:12│Comments(0)
│三嶋神社(上馬町)